2025年4月13日~10月13日に開催が予定されている大阪・関西万博。日本国内では2005年に愛知県で開催された愛・地球博以来20年ぶり6度目の国際博覧会となる。会場内には8つのシグニチャーパビリオン、13の民間パビリオンを配置、その他、海外150か国および25の国際機関の参加が予定されている。
大阪・関西万博のテーマ
開催テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン (Designing Future Society for Our Lives)」。人間一人一人が、自らの望む生き方を考え、それぞれの可能性を最大限に発揮できるようにするとともに、こうした生き方を支える持続可能な社会を、国際社会が共創していくことを推し進めるものである。

また「Saving Lives (いのちを救う)」、「Empowering Lives (いのちに力を与える)」、「Connecting Lives (いのちをつなぐ)」という3つのサブテーマを設定。テーマである「いのち」の対象を人間だけではなく、我々を取り巻く多様な生物や自然、さらにはより広く捉えるものとする。
大阪・関西万博のコンセプト
開催コンセプトは「People’s Living Lab (未来社会の実験場)」。健康・医療、カーボンニュートラル、デジタルなど、SDGs達成に資するチャレンジを会場内外で行い、万博会場を新たな技術やシステムを実証する場と位置づけ、多様なプレイヤーによるイノベーションを誘発、社会実装していくための巨大な装置とすることを掲げる。

公式ロゴマーク&イメージキャラクター
ロゴマークは踊ったり跳ねたりするCELL(細胞)をイメージしたもので、一人ひとりの個性と「いのちの輝き」を表現している。ロゴマークをベースとした公式キャラクターの「ミャクミャク」は、赤い部分が「細胞」、青い部分が「清い水」となっており、流れる様に形を変えることができるという設定。


会場レイアウト
会場はパビリオン等の施設が集まるにぎわいのエリア「パビリオンワールド」。水景を活用した憩いのエリア「ウォーターワールド」、会場の西側の海に面した緑地エリア「グリーンワールド」の3エリアで構成される。

「パビリオンワールド」には大屋根(リング)の中心部にテーマ館(シグネチャーパビリオン)や公式参加パビリオン、その周囲に民間パビリオンを配置。その南側に「つながりの海」に面した海辺の広場「ウォーターワールド」を配置、会場に西側一帯が屋外イベント広場などがある「グリーンワールド」となる。
テーマ館(シグネチャーパビリオン)
大阪・関西万博会場の中央部南側に位置するテーマ館エリアには8人のプロデューサーが主導する「シグネチャーパビリオン」が配置される。

① 「Co-being」 宮田裕章(慶応義塾大学教授)
② 「いのちの未来」 石黒浩(大阪大学教授・ATR石黒浩特別研究所客員所長)
③ 「いのちの遊び場 クラゲ館」 中島さち子(音楽家・数学研究者・STEAM教育家)
④ 「null 2」 落合陽一(メディアアーティスト)
⑤ 「いのち動的平衡館」 福岡伸一(生物学者・青山学院大学教授)
⑥ 「いのちめぐる冒険」 河森正治(アニメーション監督・メカニックデザイナー・ビジョンクリエーター)
⑦ 「EARTH MART」 小山薫堂(放送作家・京都芸術大学副学長)
⑧ 「いのちのあかし」 河瀨直美(映画作家)
民間パビリオン
民間パビリオンでは各出展者が万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に沿った展示や演出を行う。

① 日本電信電話株式会社 「NTT PAVILION 2025 NATURAL 生命とITの<あいだ>」
② 電気事業連合会 「電力館(仮称)」
③ 住友EXPO2025推進委員会 「住友館」
④ パナソニック ホールディングス株式会社 「パナソニックパビリオン(仮称)」
⑤ 三菱大阪・関西万博総合委員会 「三菱未来館」
⑥ 吉本興業ホールディングス株式会社 「(仮称)よしもとパビリオン」
⑦ 株式会社パソナグループ 「PASONA Natureverse」
⑧ 特定非営利活動法人ゼリ・ジャパン 「BLUE OCEAN」(ブルーオーシャン)
⑨ 株式会社バンダイナムコホールディングス 「ガンダムパビリオン(仮称)」
⑩ 玉山デジタルテック株式会社 「初志・創新(仮称)」
⑪ 一般社団法人日本ガス協会 「ガスパビリオン」
⑫ 飯田グループホールディングス株式会社 「飯田グループ×大阪公立大学 共同出展館」
⑬ 一般社団法人大阪外食産業協会 「新・天下の台所~食博覧会・大阪2025~(仮称)」
会場内輸送計画
会場内の移動手段として会場東西のエントランスや屋外イベント広場等を結ぶ外周道路を主な走行ルートとする「外周トラム」、会場内の街路を主な走行ルートとする「小型モビリティ」、高齢者や障がい者等の移動制約者を支援するための「空飛ぶクルマ」の導入を検討している。

完成イメージ図
会場は海に囲まれたロケーションを活かし、誘致のコンセプトから引き継ぐ「非中心・離散」の理念に「つながり」を重ね合わせた、「多様でありながら、ひとつ」をデザインテーマしている。

パビリオンの中心に円形の大屋根(リング)を配置。海の一部を囲いとって会場デザインに取り込む。

大屋根(リング)は全周約2km、直径約615m、高さ12m、幅30mの規模となる。

大屋根(リング)下の「グラウンドウォーク」はパビリオンの主導線になるとともに、来場者を雨や日差しから守る機能を持ち、人々を導くナビゲーションとしての役割を果たす。

大屋根(リング)の上には「スカイウォーク」(空中歩廊)を設置。パビリオン群が立ち並ぶ会場を俯瞰する視点を提供。場所によっては海を望む展望歩廊を用意する。

テーマ館(シグネチャーパビリオン)はパビリオンワールド南側の水際から中央の「静けさの森」を結ぶラインの両側に向かい合って配置される。

会場の中央部には木々によって日差しから守られ、ゆっくりと休憩することができる「静けさの森」を計画。主動線から4つの異なるルートでアクセスすることができる。

「屋外イベント広場」ではステージを活用した音楽、映像、パレード及びアートプログラムなどを実施。トークライブやテーマフォーラム等のイベント等にも活用される。

海の上の万博会場を象徴する「ウォーターワールド」では水上イベントを始めとした親水空間での様々なアクティビティに使用される。

現地の様子(2023年7月)

夢洲島内の左端が万博会場となる。

遠くに見えるのは神戸の街並み。

大屋根(リング)の基礎らしい構造物が見える。

大屋根(リング)の一部と思われる足場が姿を見せている。

この辺りが東エントランスになるものと思われる。



地図&交通アクセス
会場は大阪ベイエリアの人工島「夢洲」の南側一帯。アクセスは大阪メトロ中央線のコスモスクエア駅から北港テクノポート線が延伸され、新駅「夢洲駅」が開業する予定となっており、これがメインのアクセス手段となる。車でのアクセスは会場から概ね15km圏内に設ける駐車場からバスに乗り換えるパークアンドライド方式を採用。また鉄道主要駅及び空港からは万博会場まで直通で運行するシャトルバスを設ける。海外の賓客が関西国際空港や神戸空港を利用する場合は船やヘリコプター等海路及び空路でのアクセスを検討する。

公式資料および関連サイトなど
- 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
- 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)【大阪府】
- 大阪・関西万博 | 事業概要 【大阪観光局】
- 大阪・関西万博【METI/経済産業省】
- 2025大阪・関西万博公式ライセンス商品オフィシャルオンラインストア