奈良県、奈良市、近畿日本鉄道は平城宮跡周辺の渋滞対策として史跡公園内を通る近鉄奈良線の線路移設を盛り込んだ踏切改良計画を国土交通省に提出した。合意内容は近鉄奈良線の高架化、地下化を含めた移設計画で、総事業費は約2000億円、2041年度の着工、2060年度の完成を想定している。
計画概要
引用元:大和西大寺駅高架化・近鉄奈良線移設事業を記載した踏切道改良計画を策定しました
計画では大和西大寺駅および東西の線路を立体交差化、平城宮跡歴史公園を避けるように迂回し、朱雀門の南側を通る大宮通りに移設。全体で8つの踏切を無くすことを目的としている。近鉄奈良線のルートは現ルートでの地下化も検討されていたが、世界遺産でもある史跡公園内に地下構造物を新設することは事実上不可能に近かっただろうと思われる。
費用は高架化区間のうち大和西大寺駅寄りの一部で事業費の約7%を近畿日本鉄道が負担。残りの高架化区間は全て行政側が負担することで合意。地下化区間の費用分担については今後協議を行う。
現地の様子(2021年4月)
地図
西端は西大寺宝ケ丘付近、北端は近鉄京都線の平城駅、東端はJR奈良線と交差する油阪交差点付近までが改良予定区間となる。地下区間化に伴い現在の新大宮駅は少し南側へ移設、また県では平城宮跡の南側に朱雀大路駅(仮称)、新大宮駅と近鉄奈良駅の間に油阪駅(仮称)の設置を計画している。